兄夫婦に子どもが産まれて、それも女の子ということで、両親は嬉しそうな顔をして、デパートへ出掛けると私に言いました。雛人形を贈るといっていたのですが、桃の節句はまだ三カ月先の話だし、そんなに急ぐのかなと思いました。私も一緒に行くことになって、車で出掛けました。車内でも、兄夫婦の赤ちゃんの写真を見ながら、どっちに似ているだとか、孫が産まれるとこうも違うのかなと、すごく目がニコニコです。
雛人形の展示コーナーが見えて、もう販売しているんだと思ったら、雛人形は、三月三日まで飾るものだと、母から言われました。我が家にもそういえば、私の雛人形が眠っているはずだと思い出しました。確かすごく伝統的な顔をしていたなと、急に思い出しました。いろいろな雛人形が並ぶ中で、両親が選んだ雛人形は、古典的な風貌の立派なものです。顔が何となく兄夫婦に似ていて、赤ちゃんにも似たような、そういった雰囲気が伝わってきました。
兄夫婦に贈るお雛様が決まり、両親も嬉しそうな顔で帰宅します。私は、我が家にあった雛人形のことを母に聞きました。何だかとても懐かしかったからです。すると、伝統的な家紋入りの雛人形が今でもあることを話してくれました。職人技がすごいわよと、自慢気に言っていたので、出して欲しいと頼みました。すると、母が「一緒に出してくれる?大変なのよ、一人で閉まったりするのも」と私を見つめました。何だか嬉しそうです。
我が家の雛人形も、久々に出してみて、すごく迫力があるものを改めて感動しました。兄夫婦も、毎年ひな祭りを楽しむのだろうと思いました。日本文化と言われていますが、まじまじと見ると、すごく風情があっていい行事ですね。私も忘れていた気持ちを思い出しました。我が家のお雛様に「ごめんなさい」と心で伝えて家族で久々にお祭りをしました。
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